概要

 
 旧暦明治元年戊辰(ぼしん)10月から、同2年己巳(きし)5月に至る7ヶ月間、土方歳三をはじめとする新選組隊士達が、日本最後の内戦である箱館戦争を戦った。鳥羽伏見に端を発し、この箱館戦争で幕を閉じた幕末維新の内乱は、約2年間という短期間に、それまでの封建刀槍社会から、近代的な立憲君主国に我が国を変えた。徳川幕府体制の回復という旧価値感と、「独立国家」建設という新思想が共存したその7ヶ月間は、不思議な空間であったに違いない。
 平成9年9月、この箱館戦争の事跡を聞き、史跡を見るため、函館に飛んだ。そこには、旧幕府軍上陸地点の鷲の木から、箱館新政府瓦解の地である五稜郭に至るまで、全ての地点で、新選組、特に土方歳三の名がはっきりと刻まれていた。「特集・箱館見聞」は、それら事跡・史跡の解説である。同時に、読者の箱館戦争時間軸理解に資すことができればと願う。

Sep. 16th, 1997 三浦正人

 函館は、羽田から飛行機で約1時間15分。空港からは、史跡を効率よく廻ろうとするとレンタカーが必要だ。さすがに北海道と感じるのは、都市間の距離が長いこと。但し、道幅が比較的広く、信号が少ないので安心して(もちろん、雪のない季節ならだが)走ることができるし、予想以上に短時間で目的地に達することができる。。今回は、下表のように2日間で廻った。走行距離は約400km。交代で運転すれば、ぐったり疲れるほどの距離ではない。
 函館といえば、函館山からの百万ドルの夜景が有名だ。また、新鮮な海産物が手頃な価格で食べられるのも魅力の一つだろう。この2つを満喫する時間を確保するためにも、宿泊地、史跡巡りコースの選択・決定が重要なポイント。今回の取材コースを是非参考にしていただきたい。
1日目
空港 道道5号 鷲の木 二股口 五稜郭
一本木 弁天台場 称名寺 函館山 宿泊
2日目
朝市 碧血碑 木古内 松前城 江差
大野街道 空港            
レンタカー 予約しておけば、空港でピックアップすることが可能。また、函館に到着して、札幌経由千歳空港から帰る場合でも、「乗り捨て無料」なので追加料金を心配する必要がない。車種は、3〜4名であれば、険しい山道や高速道路がないので、低燃費の1300ccコンパクトカーで十分だ。今回は、マツダレンタカーを利用した。予約は、フリーダイヤル0120-00-5656(全国共通)。函館空港営業所の電話番号は、0138-59-0002。料金は、写真のデミオの場合、24時間で8,800円。

宿泊 今回は、JR函館駅から徒歩3分の「シャロームイン2」(若松町30-19 tel:0138-22-3000)に宿泊した。駅前の繁華街はもちろん、市電を使えば10分でつく函館第2の飲食店街、五稜郭地域にも近い。また、函館山や美観地区である南地区へも便利だ。そして、駅の南側にある「朝市」は、眼と鼻の先。「土方歳三最期の地」碑へは歩いて3分だ。駐車場完備。
朝市 函館駅に隣接している「朝市」は、市民の台所であると同時に、観光客にお土産の海産物と手軽な海鮮料理を供給する場としても親しまれている。特に、新鮮な「うに・いくら丼」など函館名物を食べさせる食堂が、多数軒を連ねていて楽しい。

食堂「馬子とやすべ」 函館市若松町9-18 tel:0138-26-4404


観光案内の常連。


うに・いくら丼 ¥1,700

[費用]
航空運賃 22,800X2円(繁忙期以外の普通運賃)
レンタカー 14.700円(各種割引あり)
ガソリン代 4,000円前後
宿泊費 6000円前後

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