多摩の人と歴史
小島資料館10周年記念式典 |
昭和53年(1978)11月12日、小島資料館から程近い旧小野路農兵隊屯所跡地において、小島資料館開館10周年を記念して祝賀会が開催された。初代館長の小島家第23代当主小島宗市郎氏の呼びかけで、新選組隊士子孫、天然理心流関係者・子孫、自由民権運動子孫、新選組研究家、地方史研究家、報道関係者など約500名が、約1000坪の会場に集まった。 |
10周年記念式典趣旨(しおりより抜粋)
「激動の時代、幕末から明治時代にかけて、武術天然理心流を学び、新選組や、農兵隊、そして、自由民権運動に参加した人々がおりました。彼らは、自己の信念と武士の精神を貫き、刀槍をかざして散華したものも少なくありません。また、人知れず異郷の地で息を引きとった人や、歴史の陰に埋もれてしまった人も数多くいます。これらの人々の菩提を弔いたく、なにとぞ、一掬の水と菩提の香華を捧げ。諸精霊への御参拝をお願い申し上げます。」 昭和53年11月12日 小島資料館館長 小島宗市郎 ■新選組ならびに自由民権運動を生んだ武術天然理心流関係者の諸精霊を慰霊する |
会場に設けられた特設祭壇 |
供養精霊一覧
新選組隊士之諸精霊 |
天然理心流演武 |
記念品の小旗 |
記念式典は、上記各精霊を弔う法要で始まり、参列者の焼香ののち、セレモニーが行われた。主賓として招かれた会津松平家当主(当時)の松平保定氏があいさつし、小説「新選組銘々伝」などの著作で知られる作家の早乙女貢氏による記念講演が、「武士の心と新選組」と銘打って約40分間行われた。また、天然理心流を現代に継承している宗家八世加藤修勇氏と、近藤勇生家の末裔でもある宮川清蔵氏による組み太刀演武が披露された。天然理心流の流儀にのっとり、真剣と同等重量の木刀で行われた演武は、古式ゆかしくまさに近藤勇や土方歳三の新選組の剣の再現である。式典は懇談会に移り、天然理心流関係者の子孫や新選組隊士の子孫が紹介された。多摩地区はもとより、各地から集まった子孫は、この記念式典からさらに20年近くが経過した現在では、既に鬼籍に入られた方も少なくない。 新選組の事跡が地元多摩地区で再認識された記念式典は、盛況のうち幕を閉じた。小野路農兵隊屯所跡地は、現在ではゲートボール場として市民に開放されている。 |
新選組隊士子孫(左から)
土方康氏(土方歳三兄子孫) 日野市 物故 |
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三浦正人 e-mail
: miura@tamahito.com