多摩の人と歴史
平成9年5月11日
平成9年5月11日(日)、石田寺において土方歳三の命日に冥福を祈る「歳三忌」が開催された。午前11時からの読経には、ファンら約300人が集まり、墓前に手を合わせた。大出
俊幸氏の発意に呼応して集まったファンのうち、約70%が女性。おのおの花束を抱えたり、新選組隊服に身を包んだりと歳三への思いをそれぞれの個性で表現している。中高生やOL、主婦と思しき方からご年配まで、年齢層は多岐にわたっている。事前に申し込みをした参加者には、Tシャツなどのお土産が配布されていた。 歳三の129回忌の法要を行ったのは石田寺住職のご子息で僧侶の丸山祐幸氏。「本日は、土方歳三の命日にお集まりいただき、皆様大変御苦労様です。5月11日は、歳三が函館で戦死した命日です。今年は丁度日曜日に重なりましたので、大勢の方に来ていただくことができました。また、かくも見事な快晴に恵まれましたことは、新選組のご利益でしょう。この石田寺には、皆様の頭の上にそびえる榧(カヤ)の木が江戸時代からここにあります。歳三も子供の頃には、この木の周りで遊んだことでしょう。そして、この先には<とうかん森>と呼ばれる地元石田の土方家の鎮守の守もあります。このあたりに土方姓の家が11軒あります。ここでも歳三は、近所の子らと戯れていた事でしょう。ご焼香を終え、墓石にお参りされたのちは、そんなことに思いを馳せてこの近辺を歩いてはいかがでしょう。」とご挨拶された。さらに、「墓参の際のお願いを申し上げます。最近、歳三の墓石を削り取っていく人がいます。皆様方におかれましては、そのような心無い人を見掛けましたら是非ご注意いただきたいと思います。同じ墓石は2度と作ることができません。私たちはずっと後世まで歳三の事蹟を残していかなければならないからです。」と結んだ。 約一時間で、読経と焼香による法要は終了し、春というよりも初夏の様子を見せる浅川の土手沿いやバス通りを、高幡不動駅方面に向かう参加者の列がしばらくの間続いた。 |
焼香に並ぶファンの行列。後方はカヤの木。 |
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三浦正人 e-mail
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